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20歳過ぎ発症の広汎性発達障害として障害基礎年金2級が遡及受給できた例

1 相談に来られた時の状況

ご本人(20歳代)とお母様がお二人で当センターに相談にお越しになりました。
ご本人は大学を卒業されるまで、自身の専門分野の研究にいそしみ、学生生活に充実感を持っていましたが、大学院に進んだ段階で、突然、人との交流ができなくなりました。

お母様のお話では、「ゼミで親しかった大学院の先輩が卒業してしまい、精神的な支えを失ったようです。」とのことでした。研究意欲はおろか生きる気力さえ無くしたかの状態になり、人と会うことが怖いと感じて通学以外は家から出ることができなくなったようでした.

やがて大学院を中退し、以来自宅で昼夜逆転の生活になり、生活パターンを修正してアルバイトをしてみても同僚とのコミュニケーションが図れず、長続きできないようでした。

 

 2 当センターの見解

引きこもりに近い状態と食事に対する異常なこだわりがあり、日常生活全般に家族の援助を必要としている状態でしたので、障害等級2級相当と判断しました。

受診している心療内科の主治医が初診からずっと同じであったことから障害認定日請求(遡及請求)することも十分可能と考えました。

 

3 サポート依頼を受けてから年金請求までに行ったこと

①ご本人の日常生活についてお母様から入念にヒアリングをし、自己申告書を作成、し、障害認定日と現在の診断書発行依頼をしました。

②発症時から現在までのご本人の生活状況、アルバイト経歴等をお母様から書き出してもらった原稿を基に時系列に整理して、病歴・就労状況等申立書を誰もがさらりと読み下せる文章にまとめました。

③請求書類を年金事務所に提出する際、「発達障害だから病歴・就労状況等申立書は、誕生時から記載してほしい」と依頼されましたが、「知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。」という障害認定基準の記載を示し、そのまま受理してもらいました。万が一20歳前傷病と判断されると遡及請求ができなくなる恐れがありました。

4 結果

上記の取組により、障害基礎年金2級(年金額約78万円)の認定通知を受けることができました。

また、遡及請求も認められ、約227万円の一時金の入金がありました。ご本人はもとより、請求手続にご協力いただいたお母様にも大変喜んでいただきました。

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