先天性の難病で障害基礎年金2級が受給できた例
1 相談に来られた時の状況
ご本人(30歳代)とお母様がお二人で当センター主催の無料相談会にお見えになりました。
ご本人は先天性の難病(副腎皮質ホルモン欠損症の一種で、全国の症例が5件程度の極めて稀なご病気)で小さい頃から体のあちこちに障害をお持ちでした。
お話を聞くと大変お気の毒な状態ではありましたが、個別の症状ではどれも障害等級2級には該当していないようでした。ただ、聴力についてはかなり低下してきているが、最近しっかり計測していないとのことでしたので、耳鼻科を受診し、計測されることをお勧めしました。
一旦お帰りになりましたが、半年後、聴力障害、両下肢機能障、膀胱直腸障害について市役所に診断書を提出し、障害者手帳2級を取得され、再度ご相談にお見えになりました。
2 当センターの見解
障害者手帳申請時の診断書によると聴力レベルもやはり3級相当でしたが、他の障害が3級相当であれば、ぎりぎり合わせて2級認定される可能性があると判断できました。
そこで聴力障害、肢体障害、排尿障害についてそれぞれ診断書の発行を依頼し、併合認定(3級相当の障害+3級相当の障害→2級相当の障害認定)をめざすことにしました。
3 サポート依頼を受けてから年金請求までに行ったこと
①幼少期から継続して診察していた小児科の先生にご依頼し、耳鼻科、整形外科、泌尿器科の各主治医の受診日を3日とも可能な限り近い日に予約できるよう手配していただきました。(日本有数の大学病院で、診断書発行依頼のみにも受診予約が必要であったため、その後の請求書類のまとめに時間を要することが予想されました。)
②各診断書の発行に際し、原因傷病を小児科医が診断した上記の難病であると明示していただきました。さらに診断書の訂正依頼に幾度も当該大学病院に行きました。
③聴力障害、肢体障害、排尿障害の各障害毎に「病歴・就労状況等申立書」(合計3種類、全12頁)を作成しました。(ご本人の誕生から請求までの治療過程をお母様とご本人から何度もお聞きして、可能な限り詳細に作成しました。)
4 結果
上記の取組により、障害基礎年金2級(年金額約78万円)の認定通知を受けることができました。「貴センターに依頼しなければ、とても受給には至らなかったと思います。」というお礼のお手紙を頂戴しました。