網脈絡萎縮(錐体肝体ジストロフィー)で障害厚生年金1級が受給できた例
1 相談に来られた時の状況
ご本人と奥様が当センターにお越しになりました。当初はご本人が患われている悪性リンパ腫についてのご相談だったのですが、お話し中、書類などを見にくそうにするご様子が気になりました。
年金制度についてさらに説明しようとホワイトボードに文字を書いたところ、やはりご本人が見えないとおっしゃるので詳しく伺うと、難病の網脈絡萎縮(錐体肝体ジストロフィー)で大変ご苦労されているとお話ししてくださいました。
2.当センターの見解
当初のご相談内容である悪性リンパ腫は、体調にご不便はあるものの骨髄移植を予定してされており、障害厚生年金3級相当と判断しました。
しかし、網脈絡萎縮による病状が大変進んでおり、両目ともに0.01と視力が低下していました。眼鏡やコンタクトレンズでの矯正はできず、治療法がないと判断されていましたから、悪性リンパ腫ではなく網脈絡萎縮で請求をすれば障害厚生年金1級に相当すると判断しました。
3 サポート依頼を受けてから年金請求までに行ったこと
① ご本人と奥様に悪性リンパ腫ではなく網脈絡萎縮で年金請求をすることをお勧めし、障害認定の仕組みを丁寧に説明させていただきました。
② 視力が下がり始めてからの生活でお困りのことや、奥様に介助してもらいながら階段を上り下りしなければならない状況を詳しくお尋ねし、自己申告書にまとめました。
③ 上記の自己申告書を添えて、通院している眼科医に診断書作成を依頼しました。
④ 視力に異常を感じはじめた頃のお話しを詳しくお聞きしました。視力が落ち始めて職場で配慮してもらいながら就労されているご苦労など、ご本人と奥様からヒアリングさせていただき、病歴就労状況等申立書を作成しました。
4 結果
上記の取組により、障害厚生年金1級の認定通知を受けることができ、奥様の加給分も加算され、約188万円を受給するこができました。その後、骨髄移植に成功され、リンパ腫も寛解されていると奥様からお聞きし、当センターとしても大変安心しました。
障害年金は仕組みが非常に複雑です。ご自分のご病気や障害をどのような診断書を提出するかで障害年金の等級や受給できる金額に違いが出てきてしまいます。