「網膜色素変性症」で障害厚生年金2級を認定日請求受給できた例
1 相談に来られた時の状況
ご主人の網膜色素変性症(視野狭窄)に基づく障害年金請求について、奥様からご相談を受けました。
視野が狭まり始めたのが、約28年前でしたが、視力の低下が伴わなかったため、初めて眼科を受診したのが、約7年前ということでした。奥様にお会いした際、すでに主治医から発行された診断書をお持ちでしたが、記載内容に不安を持たれ、確認を依頼されました。
さっそく診断書を拝見したところ、記載に重大な不備がありました。ちょうど1年前に、 視野の障害についての認定基準が変更になっていましたが、主治医はこの変更を認識していないためと思われました。
2 当センターの見解
まず、主治医に面 会し、認定基準の変更を説明し、診断書の再作成を依頼する必要があると判断しました。さらに、障害認定日に遡っての支給を請求するためには、初めて眼科を 受診するまで、職場の定期健康診断等で著しい視力低下等がなく、眼科受診を指示されなかったことを年金事務所に請求する時に申し立てる必要があると奥様に お伝えしました。
3 サポート依頼を受けてから年金請求までに行ったこと
①ご主人、奥様と一緒に主治医に面会し、認定基準の変更を説明して、請求に必要な記載がある診断書を新たに発行してもらいました。
②網膜色素変性症は先天性の疾患と見なされるため、ご主人の出生から現在まで、約57年間の長期に渡る「病歴・就労状況等証明書」を作成しました。
③眼用の先天性障害用のアンケートに中学校卒業時以降の視力経過を記入してもらい、提出しました。
4 結果
以上の取り組みにより、障害厚生年金2級(5年間の遡及)の受給通知を受けることができました。その結果、過去5年分の年金相当額として一時金で約1200万円が支給され、さらに今後は毎年約220万円の年金を受給できることになりました。奥様から感謝のお手紙をいただきました。